英語がイマイチな私が電話受付。これさえ出来ればマニュアルはいらない!

私は今年の4月からアメリカの商社でインターンシップをしています。「アメリカ・商社」これだけ聞くと、さぞ筆者は英語能力に長けているのであろう、と想像するかもしれません。確かに私は出国前TOEIC800点ほどで(さほど悪くないはず)、1年間みっちり英会話のスカイプレッスンをこなしてからアメリカへ渡りました。

ある程度自信を持って初出社を迎えましたが、そこで待ち受けていたことをお話します。


本場アメリカの洗礼を受ける

アメリカに着いて最初の数ヶ月、私は外に出るのも嫌になるほど英語が聞き取れませんでした。日本での準備期間が何の意味もなしていないことに絶望し、それに加え何でこんなに理解出来ないのかすらわからなかったんです。

会社へ向かうカープールでは、アメリカ人の上司とスパニッシュ系の同僚の会話に付いて行けず置いてけぼり、会社のミーティングでは発言が出来ない(アメリカでは議論に参加しない者は価値がないとみなされる)、新しい店に入るのが怖い、週末は人と話したくないからカフェで本を読む等々、公私共々散々でアメリカに来たことをすぐに後悔しました。

友達が一人二人と出来始めてから事態は少しずつ好転し始めましたが、要するにその程度の英語力だったということです。


アメリカでの英語が私たちに聞き取れない理由

アメリカ生活を始めて半年以上経過しましたが、日本人にとってアメリカでの英語の聞き取りが難しい理由を自分なりに考察しました。まず第一に、アメリカ人の特徴についてです。我々日本人は、日本へ観光に来るアメリカ人がかならず英語で話す事を不思議に思ったり、私たちに話しかける時にもテンポを落とす事なく信じられないスピードで話すことに、なんて自己中心的なんだ!とたまに憤ったりもします。

しかし、彼らは世界の共通言語を使いながら大人になり、第二外国語に力を入るような教育システムではないため、そもそも英語を話さない人種の気持ちが理解しにくいようです。第二に、アメリカには様々な人種が集まる事。

これが何を意味するかというと、各人種によって英語なまりが違うということです。会社にはインド人、中国人、イタリア人、ブラジル人等々英語を第一言語としていない人達が、流暢に英語を話します。

しかしこれがまた慣れないと難しい。第三に、英語自体の特徴です。これは書籍を読んでなるほどと思ったことですが、英語は「速い」のではなく「短い」ということです。

英語が日本語に比べ聞き取りが難しい理由の一つに、音節が少ない点が上げられます。

これをアクセントで補って彼らは意思疎通を行っており、比較的抑揚なくはっきり話す日本語とかなり異なりますね。最後に、英語が崩れる点です。特にアメリカ人の話言葉に顕著ですが、全然はっきり話しません。もう私にはごにょごにょと話してるようにしか聞こえませんが、よりはっきりと発声するイギリス英語に慣れている人からしても難しいようです。

マニュアルだけ渡されて電話番

さて、インターン4ヶ月目の話に移りましょう。ある程度仕事にも慣れてきて、カタコトながら親しい同僚とは会話もし、メール作成にも時間がかからなくなってきたぐらいの時でした。突然上司から、「あなた電話でてないよね?研修中の子が基本的に電話でなきゃいけないんだよ」と言われ、会社の電話受付マニュアルを渡され

ました。

そこから地獄の日々が始まりました。マニュアルをしっかり読み込んだものの、電話中とっさに口からついて出てきてくれません。それ以前に、そもそも聞き取りが怪しいレベルなのに、電話越しで雑音が入り相手の表情が見れない事でさらに難しくなります。

始めの頃は、無言の時間が恐いので保留音にしては調べ、保留音→調べる→保留音→調べるの繰り返しでした。パニックになって電話を切ってしまった事も度々。しかし電話に出ろと隣に座る上司からの無言の圧力もあり、毎日冷や汗を書きながら乗切って行きました。

電話に出始めて二ヶ月経った今、まだまだ疲れますがなんとか電話応対が形になってきたというところです。

電話受付でメモを取るのって大切?

最低限のマニュアルで乗り切る

結論から言うと、電話の受付にマニュアルはいりません。しかし次のような文言は最低限伝えられるよう努力する事、暗記して言う事が難しいなら紙に書いて電話付近に貼っておく事ですね。・誰におつなぎしますか・参照番号、オーダー番号はお持ちですか

・メッセージ残しますか

・今誰々はデスクにいないようです、ミーティング中です

・もう一度言っていただけますか

・自分や同僚のメールアドレス、連絡先の説明方法

裏技ではないですが、自分がかなり使っているピンチを乗り切る方法は、相手の言ってる事が理解出来なくても「誰におつなぎしますか」と言えば、つないだ同僚がなんとかやってくれます。

また、担当者がわからないと言われる事がよくあるので、参照番号を確認してからこちらで調べた上で、適任者へつなぐ方法です。

つまり自分が解決しようと最初から思わない事です。そして、私が思うにこういったマニュアル文言を覚える以上に重要な事があります。それは「間をつぶす」技術です。日本人にとっては話したい事がスラスラ出てこないなんてことは多々あるでしょう。

初期の私のように、毎回保留音を流すわけにはいきませんからね。でもそこで押し黙ってしまっても、緊張はさらに増幅してポジティブなことが何もありません。なので何か調べながら、考えながらその間を埋める言葉を発することをお勧めします。

例えば自分がよく使っている言葉を下に列挙してみました。・Let's see / Let me see・Well...・you know・OK・all right・hmmこれら自体は勉強で見覚えがあると思いますが、授業ではなく対外国人となった時、意外に日本人が使えない言葉なんです。

今ならマニュアルを読み込むことよりも大事であると断言出来ます。

私から出来るアドバイス

自分の体験を踏まえつつアドバイスもしてはみましたが、所詮私はアメリカ生活半年そこらでいわゆるペラペラとは程遠い状況です。毎日精一杯で仕事終わりはへとへとです。しかし、今では始めに上司から電話にでろと言われた時のあの絶望感はありませんし、ふと気付けば絶対に無理だろうと思っていたところまで出来ているものです。

また日本人は特に準備を良くする癖がありますが、あまり考え過ぎないで電話をとってしまいさえすれば何とかなるかもしれません。一生懸命やっていれば誰かが助けてくれるでしょう。